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04/06/2012

スカイマークの挑戦

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上の記事を、もう皆さん読まれたことだろう。それにしても凄い発想を持った経営者が現れたものだ。

奇抜なサービスでマスコミの露出を増す(コストゼロのマーケティング)のはLCCの常套手段で、例えば春秋航空が立ち席を真剣に検討しているみたいな、マイナス方向のサービスについても、それもこれも航空運賃を下げるためという理屈で、一部顧客には訴求するものがあろう。

とは言っても、「スマイルは無料(タダ)」というのが、サービス業の原点だと思うのだが、スカイマークには何か深謀遠慮があるのだろうか。

一つ考えられるのは、国際線進出時のシナリオだ。

客室乗務員というのは、確かに安全・保安要員で(9.11や、機長が刺殺されたANAのハイジャック事件は客室乗務員がこの機能を果たさなかったことが最大の要因。)、最低必要数は、座席数を50で割った数字を切り上げることによって求められる。航空機の座席数が50の倍数になっている(737の150席が典型例)のは、この理由による。(150席なら3人で良いが151席だと4人必要となる。)

一方、国際線では、本来の安全・保安業務に「飯盛」や機内販売等のサービスが付加されるので、前述の最少客室乗務員数よりも多くの客室乗務員を乗せている。

翻って、スカイマークの今回の「警告」は、国際線進出時、最少客室乗務員で飛行機を飛ばそうという思惑の伏線ではないかと思わせる。ANAの国際線進出時がそうであったように、まとまった数の機材でdailyでflighを張ることができるようになるまでは、乗員の効率が頗る悪いが、最少客室乗務員で飛ばせば、人件費や現地でのホテル代、Per diemをかなり浮かすことができよう。(古き良き時代のLegacy carrierの乗務員の多くは、このPer diem=一種の出張旅費だけで生活し、給与は全て貯蓄に回していたらしい。)

更に、この「警告」は、国際線の客室乗務員を全員non Japaneseに変えることの予言のようにも読める。(国内線を乗務するには当然就労Visaが必要だが、運転手さんはVisaがおりるが、客室乗務職ではおりない。)A380を何処に飛ばすのか、事業計画は発表されていないと思うが、語学の素養や、ご面相を問わなければ、就航地で雇用することによって、更に人件費を稼ぐことができるだろう。

面白いのは、最初の一文で、こうしておけば客室乗務員の身長制限が不要になり、更なる低賃金での雇用に門戸が広がる。(客室乗務員の身長の下限は157cm位のところが多いと思うが、根拠の一つが、stowageへの荷物の収納である。)

もう一つの穿った見方というか、人事労務担当者的な憶測としては、スカイマークの客乗の間で組合組織化の萌芽があって、これを宥和するための施策かな、というもの。

ANAも国際線進出時には、長時間乗務や機内サービス負荷の点で組合が先鋭化した事実があって、これと似たようなことが起こりつつあるのかもしれない。

それにしても、スマイルを無料で提供できないような程度のモラルの客室乗務員が、緊急時に我が身を犠牲いしても旅客を誘導できるとも思えないし、HJに狙われたら第2・第3の9.11や機長刺殺事件を阻止するために身をはってくれるとも思えない。

スカイマークの広報は、マスコミの取材に、「文章に書かれている通りで他意はない。」としているようだが、真意は奈辺にあるのであろう。

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