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15/03/2014

White color exemption

「春闘」(←死語だったが,復活を遂げた?)も山場を超えたようだ。
ベアということばも久々に耳にした。今の若い人には,Base-upと定昇(定期昇給)の違いが中々理解できないかも知れない。
これまで内部留保と役員報酬の増額に汲々としていた経営者は,官製ベースアップと言われて内心忸怩たる思いがあろう。
日本以外で賃上げをこの2つのコンセプトの組み合わせで考える国は少ないので,人事の素人の外国人に説明するのに苦労をする。ベアゼロ時代に育った世代もベアの実感はなかろう。(ボクが長くいた会社は,恐らく20年はベアゼロな訳で,社員の半数以上はベアを経験したことがない筈である。)


ところで掲題は,言うまでもなく管理職でもなく,現行の裁量労働制の対象でもない"White color"を時間外手当の対象外とするための制度。2桁IQの現首相が,腹痛を起こす前に導入を検討したが叩き潰れた政策であり,経団連辺りに唆されてまたぞろ検討を開始している政策である。


ところが太平洋の反対側では,Obamaがこの制度の対象範囲を縮小することを提唱している。
http://www.nytimes.com/2014/03/12/us/politics/obama-will-seek-broad-expansion-of-overtime-pay.html?src=me ←NYTの記事
アメリカでは,大統領権限でWhite color exemptionの対象範囲を変更できるらしい。
まぁ,中間選挙に向けて中流層の票を狙った政策なのだろうが,上の記事によればアメリカの労働分配率は記録的な低水準にあるというから,時宜を得た政策のようにも思われる。
大統領権限の範疇とは言え,この新政策が施行されるかどうかは,これからのGOPとの交渉次第と言うところだろうが,日本の労働政策に与える影響は少なからずあるだろう。


ボクの修士論文のテーマは,日本の長時間労働の機序に関するものであった(←過去形)のだが,決してWhite color exemptionを含む「弾力的労働時間制度」自体に反対するものではない。
経団連が主張するように,デスクワーク労働者の時間管理は弾力的で良いと思う。創造的なアイディアは,就寝中でも(←湯川秀樹)入浴中でも(←アルキメデス)天から降ってくるものだから。
問題なのは,この国では「弾力的労働時間制度」が長時間労働の免罪符としてしか機能していないこと。
例えば「裁量労働制」の導入には,労働者の同意等の厳格な手続きが必要なのだが,多くの日本企業では,この手続きを経ることなく「うちは裁量(的)労働だから,残業手当は付かない。」というノンズロが罷り通っている。
ボクが長く働いた会社もバブルの頃までは,残業青天井だったが,経営が傾き始めるとCapがはめられ,そのCapが段々低くなっていった。
適正なCapには,明らかに無駄な残業を削減する効果があったが,あるところからサービス残業の強制になった。Job descriptionが存在しない,存在しても曖昧模糊としたものであることが多い日本企業において,残業を規制する機序が働かないことになる。
もう一つ恐ろしいのは,経営者にとってサービス残業の強制が「みんなで渡れば怖くない」状況になっていることと,厳しい就活を経験した若年層が,この状況に過剰適応している現状。


政府は20年以上に渡って,長時間労働の弊害(その最大のものが少子化!)を繰り返しかつ公式に謳っているが,事態は改善どころか,悪化している。(勤労者の睡眠時間は着実に減少を続けている。←まさに少子化の原因ではないのか?)
労基署は労働基準監督官の不足のため,立ち入り査察の頻度は1社あたり30年に一度という体たらく。
だから時間外手当不払いで刺されたりしても,無能な経営者は「運が悪かった」としか考えない。


久々のベアや,上のオバマの労働政策(最低賃金の大幅引き上げを含め)が,社会の流れの方向を変えられるか,ある種重大な局面にあると思う。

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