無料ブログはココログ
September 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

«  病気の日 | Main | Guardianの大誤報 »

07/09/2014

ア○ィーレ法律事務所

いつかは出るだろうと思っていたCMが遂に出た。
掲題のサラ金過払い金返還請求専門法律事務所のCMだ。
サラ金の過払い金とは,出資法と利息制限法の中間の,いわゆる「グレーゾーン金利」の返還請求を,最高裁が認めたことに端を発する。
この最高裁判決は一部の弁護士の努力の賜物だが,彼らの意図の通りか否か,弁護士・司法書士業界に特需を巻き起こした。


特に,弁護士業界にとっては,新司法試験により弁護士の数が飛躍的に増大した時期と重なったため,まさに「甘露の法雨」(特殊「生長の家」的な意味でなく)となった。
そもそも過払い金返還請求は,本人でも十分できる単純な業務(一般人が,他人のために過払い金請求を代行すれば,非弁行為となるが,自分がやる分には何の問題もない。)らしく,当初は司法書士のシェアが大きかったようだが,弁護士の数が増えるにつれ,両者による客の取り合いの様相になった。


掲題のCMでは,司法書士が担当できる過払い金請求には上限があることを仄めかし,是非とも「弁護士事務所」にと「顧客」に呼びかけている。仕事の内容や,両者の関係を考えると,ちょっと浅ましい内容。
過払い金返還請求の特需が,まもなく終わりを迎えることもあって,恥も外聞も無く,今のうちに小金を稼ぎたいということだろう。


ところで実際の問題は,もっと根深いところにある。今後の日本の「法曹」の棲み分けをどうするのかという問題そのものだから。
アメリカでは連邦最高裁の代理人や弁護人であろうが,田舎町で不動産の契約書作成や離婚調停をやっていようが,"Lawyer"は"Lawyer"だ。


イギリスには,"Barrister(法定弁護士)"と"Solicitor(衡平弁護士)"の2種類があって,それなりの棲み分けができている。(一般的には,控訴審の法廷に立つことができ,数も少ないBarristerが格上だが,もっと稼ぐSolicitorもいっぱいいる。)


それに比べ,日本にはなんと弁護士・司法書士・行政書士・社労士と4種類が存在している。
その上,新司法試験導入の前後で弁護士の「質」と「格」が大きく異なることが,事態をさらに複雑にした。
例えば,新司法試験導入後の弁護士(の底辺)と導入以前の司法書士は「質」の面で,どっこいではなかろうか。
ところが,本来なら一番格上の弁護士が大量に誕生するシステムが導入されてしまったので,彼ら/彼女らは喰っていくために,今までなら司法書士(ないしは行政書士)がやっていた仕事までを取りにいった訳だ。
弁護士は,登録さえすれば税理士も社労士もできる。実際には喰っていけないので税理士事務所をやっている弁護士も現れているらしい。(とは言え,税理士や社労士もそれなりのexpertiseが必要なので,修習出たてのポッと出の弁護士にまともに勤まるとは考えにくい。)


本来なら,新司法試験を導入した際,弁護士と司法書士,社労士を統合した「法曹資格」を新規に作るべきだったのではなかろうか。(行政書士は,まぁパラリーガルとして,そのアシスタントとして位置づけ,税理士は法曹資格とは切り離し,公認会計士と統合。)
既存の司法書士や社労士はGrand farther's rightとして同資格の継続を認め,希望すれば追加試験を経て新統合「法曹資格」を付与する,位でどうだろう。


当初年間3,000人目標だった新司法試験の合格者は,仕事がないので2,000人に切り下げられたが,司法書士の仕事と社労士の仕事を加えれば3,000人/年は十分喰って行けるような気がするが如何?


ところで過払い金返還請求特需が終わったら,弁護士(や社労士)は次の特需として未払い残業代の請求業務を狙っているらしいが,これは法曹人口拡大の正しい方向性だと思う。
サービス残業野放しのブラック企業の皆様ご注意あれ。

«  病気の日 | Main | Guardianの大誤報 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

Post a comment

(Not displayed with comment.)

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/554540/60274678

Listed below are links to weblogs that reference ア○ィーレ法律事務所:

«  病気の日 | Main | Guardianの大誤報 »