ファッション・アクセサリ

18/04/2018

釣り込み

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と言っても柔道の技ではない。
靴を作るのに,革が平面であるのに対し靴は立体なので木型(Last)の上で皮を引っ張って引っ張って立体にする。(皮は底面に釘で止められている。)
この工程はリーガルなんかの量産靴もまったく同じで,彼らは工場に大量のプラスチック製木型を持っていて,この工程を行う。
↑のようなWhole cut(甲が一枚の皮でできている。)では,特にこの工程が重要となる。


で,これが我が人生最後の靴となる。(木型にイニシャルが書いてあるでしょ!)
発注したのが何年前だったのか「記憶にない」位なのだが,完璧主義者のシューメーカーが,途中自転車の自爆事故で1年ほどのブランクの後,やっとここに至った。(ある意味感慨深い・・・)
シューメーカー謂く,まだ釣り込み不足なのでもうちょっと,ということなんだけど,ここまでくればあとは底付け(踵側だけノルヴェにする予定)なので,最悪でも年内にはいけそうかな!


前にも書いたけど,ふつうのWhole cutでもキルト・シューズとしても使えるよう,キルトを共皮(エレファントです!)と普通のボックス・カーフの2種類作ってもらう。
出来上がりが楽しみだけど,人生最後の靴と考えると,ちょっと寂しい気もする。
折角作ったLastだから,本当にこれで終わっていいのか?後悔しないか?と悪魔が耳元で囁く!


11/03/2018

佐川くんよ,死ぬな!

とかげの尻尾がどこまで頭に近づくか,興味津々だが,おとといの佐川くんの姿を見て,可哀想に思ったのはボクだけではないだろう。
国会ではふてぶてしい態度だったが,おととい記者に囲まれた様子は,その容姿もあいまってトムに睨まれて涙目になっているジェリー以外の何者でもない。
よく考えれば実際の土地のやりとりがあったのは彼の就任前のことだから,彼自身の行為は言ってしまえば形式犯に近くて,本当の実質犯は彼の前任者だろう。
それを出世の階段をあと半歩登りたいがために(良心の呵責をおぼえたかどうか知らないが)嘘を塗り固めた佐川くんの責任は大きいけど,死ぬまでのことはないぞ。


ホテルに自腹で泊まっていたというからオークラか帝国かと思ったらKKRというのも,庶民的で良いじゃないか。
今回退職金を貰えれば?死ぬまで食べていけるくらいの金はあるだろう。これからは良心に則って堂々と生きていけよ。まずは某ベストセラー漫画でも読んでみれば・・・


ということで和服生活に移行するためのGadgetを一つ入手した。↓
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そう舌切り雀に出てくる葛籠(つづら)だ。我が家の家紋はちょっと複雑で書き込めないと言われたので同郷の秀吉の家紋を拝借した次第。
大きさは後ろの望遠鏡(20cm反射)から推測いただけると思うが,何枚くらい入るのかしら。
年齢のこともあるんで,着物集めもこの容量を限度として遅々と進めたい。

28/12/2017

My first bespoken pair of shoes!

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このところほぼ毎日,ジーンズにジャケットと言うスタイルなので,自ずと履く靴が限られてくる。
ボクは貧乏性なので,ビスポした靴は端正系のデザインが多い。てな訳でジーンズに合わせ難く履く機会が減っている。
一昨日は,友人との忘年会ディナーだったのだけど,久々にスーツを着て↑のGCを履いて出かけた。


これはボクにとって初めてのbespoke shoesで2002年に誂えた。前年に大病をして予後が100%保証されていた訳でもなく,ロンドン勤務もいつまで続くのか分からなかったので,清水の舞台から跳び下りるつもりでRoyal ArcadeのGeorge Cleverleyのドアを叩いた。(結局,その後10回以上清水の舞台から飛び降りることとなった。)
所謂バルモラルというデザインで,今思えば一足めの注文としては難しかったかも知れない(甲のシワが微妙に斜めになっている。)が,革の質はそれは見事。
牛革の質はBSEの問題もあって徐々に低下しているけど,当時のGCは古いストックを持っていたのだと思う。


で,久々に履いて思ったことは,とにかく「軽い」という事。
J.M. Westonはサイズ構成が極めてmeticulousでフィットの点ではbespokeにある程度近い(立体的なフィットではやはり差がでる!)けど,重量の点では比較にならない。


間も無く?人生最後のビスポ靴(エレファントのホールカット)が仕上がってくる(筈)なんだけど,最厚のシングル・ソールの部分的ノルヴェ仕様でどれくらいの重さに仕上ってくるのか,今から楽しみ。


05/09/2016

藤井毛織@ヤフオク

タスマニア産の最高級原毛の買い付けや,最高級カシミアで有名な藤井毛織という会社があって,バブルの後,倒産したなどという知識は99%の人間は聞いたこともないだろうし,生きていく上で有害でこそあれ,何の役にも立たない。
で,ボクは残りの1%なのだが,ヤフオクで偶然に見つけたのが↓
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生地の組成は記されていないのだが,耳にはCashmereと書かれているし,藤井毛織のタグもきちんと付いている。
目付けは450gmくらいなのだが,空気を多く含んでいて,それほど重さを感じさせない。
長さは2m強でスポーツコート(いわゆるジャケット)を作るのには十分だ。


ところが出品者は,これを「毛布」用の端切れとして1500円の開始価格を付けていた。
カテゴリーも端切れなのでオークション終了の前日になっても入札者ゼロ。
価値に気がつく御仁が出てこないかヒヤヒヤしたのだが,結局ボク以外の入札者はなく,1500円で落札。
送料は600円で締めて2100円。


極めてどうでも良い話ではあるが,これをどうしてやろうか,現在思案中。

11/08/2016

履き物

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靴は購わないと宣言してから,靴は購入していないのだが,ちょっと困った状況に陥った。
一生に一回位,和装をしても良いかなと思っている。
きっかけは曾祖父から父親までの着物を見たこと。
それ程良い物はないようだが,シーズン毎に一揃えくらいはある。
で,履き物を何にするか。
子供の頃,稚児行列に出るのに履き物がなくて革靴を履いていったら,伯母に笑われた。
着物にGCという訳にも行かないので,手頃な下駄を(別腹という事で)購入した。


和装の履き物と言えば雪駄(草履)か下駄。
原則として雪駄(特に畳表:畳と言ってもい草ではなく竹の皮)がよりformalなのだが,雨の日には下駄を用いる。特に畳表の雪駄を履いた日に雨にあうと高価な雪駄が一発で駄目になるらしい。


ということで旧東海道品川宿(はぐれ雲の世界)の下駄屋で購入したのが↑。
会津桐の下駄の上に南部畳表を貼ったもの。下駄屋の店主曰く,雨の日にもformalな場でもOKなversatileな履き物。
鼻緒を選び(お薦めに従って地味めな縞柄)すげて貰って,少し歩く。(この辺りは靴と同じ)
必要があれば鼻緒を再調整するのだが,この日はその必要なし。歩き方を褒めてもらった。


酷暑の時期が過ぎたら,少しずつ着物で出かけてみよう。

20/07/2016

Slippers@Madrigal

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カーメルの街はメインストリートのOcean Ave.に沿って「店」が並ぶのだが,その起点となるのがCarmel Plaza(通称Plaza)で中国人を乗せた観光バスもここに停まる。
カーメルはもともと別荘地として開発された街(今年で100周年)で,今でも定住用の家と別荘が半々くらいらしい。
だからかどうか不明だが料飲系を除くと「店」(特にアパレル系)の出入りが激しい。Plazaの旗艦店も20年の間に4件ほど代替わりしている。(最初はSaksだった。LVも何時の間にか消えた。)
そんな中で長年続いている所謂セレクトショップが"Madrigal"。Ca.のことだから男女共重衣料は置かず軽衣料中心で,それほど繁盛しているとも思えないのだが何と今年40周年とのこと。(恐らくPlaza開業以来ということだろう。)


ということで40周年記念の全品40%Offというのに行ってきた。基本的にこの店は小さなサイズの品揃えが悪くボクはショーツくらいしか買ったことはないので家人の買い物の付き添い。
家人は無事にビジネス用のトラウザーを購入したのだが,その後目に付いたのが↑のSlippers。
ボクはもう靴は買わないと決めているのだがSlippersは別腹ということで購入してみた。盛夏にショーツに裸足でつっかけても良いかもしれない。
当然40%オフでお手軽価格。

13/02/2016

Patented leather

日本語英語で言う「エナメル」
イメージ的にはそれ程高額でないフォーマル用革素材かもしれないが同族のブックバインダーカーフ同様,雨用素材の意味もある。

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ボクは一度決めた誓いは「容易に破ることはままあるので」今回の旅行でも「靴」の購入に至ることはなかったのだが,家人の強い要求でパリ到着の翌日にシャンゼリゼのJ.M. Weston本店を訪れた。
ボクが初めてこの店を訪れてから既に30年以上が経過している。
そこで家人が購入したのが↑のPatented leather。
ただよく見ていただくと左右に微妙な差があるのが判ると思う。


実は右側が,今回家人が買った5 1/2B,左は数年前(靴購入停止前)に買ったボクの5 1/2C。
だったら共用すればいいじゃん,とボクは思うのだが,頑固者の家人は首を縦に振らず,今回の購入に至った。


↓は底から見た絵。

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こちらの方がサイズの違いがよく判る。
それにしてもここまでmeticulousなサイズ展開,まさにJ.M. Westonの真骨頂と言えよう。
ところでJ.M. Westonは事前にメールを入れておけば(在庫があれば)希望する店舗に取り寄せておいてくれる。パリ滞在が短い場合,利用すると便利。


27/12/2015

Shoe trees

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若しかすると"Shoe tree"などというものとは一生無縁という御仁の方が世の中には多いのかも知れないのだが,最近"Shoe tree"に関し興味深い話を聞いた。
シューツリーの素材となるべき「木」が枯渇しているというのだ。
そう思って手許のツリーを比べてみた。
下から2000年頃のGC,数年後のEG(ビスポ,現G&G),一番上が比較的最近のG&G。


靴のデザインが違うのでラストの形状も違うのだが最大の違いは重量。
シューツリーは漬物石ではないし旅行に靴を持っていくケースも多いので,軽ければ軽いほど良い。
(座繰った上で壊れなければの話だが・・・)
一番下は100g強。真ん中が150g弱,一番上は350g近い。
一番上は座繰りがされていないことが大きいが「木」の質が全然違う。
一番下のGCは本当に軽いが木目はしっかりあるのでバルサのようなものではない。
真ん中は「桐」材に近いか。一番上はどっしり重い樫のような材質?


確かに,最後にTony Gazianoに注文した時「ツリーは軽くしてくれ。」と頼んだのだが「材料が入手困難。」というようなことを言われた記憶がある。
今回話をした職人さんも同様のことを言っていた。
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ところでシューツリーには↑のような3ピースタイプもあって,通常はこちらの方が高価だ。(ちなみに上の3つのタイプでも既成靴用はスプリングでサイズの調整ができるようになっている。)
が,今回話した職人さんによれば作成は3ピースが圧倒的に「楽」とのこと。
ヒンジ式のものは座繰りに時間がかかって作成に数日を要するという。
ツリーの価格を考えると割のあわぬ仕事だがビスポークシューメーカーとしてはやらねばならぬ仕事で,専らラストメーカーがすることになっている。(当たり前といえば当たり前の話。)
一方,3ピースは楽。何故ならラストをもう一組作って単純に切れば良いから。


ある意味「耳から鱗」の話だった。

07/12/2015

150着

新幹線のシートポケットには2冊の雑誌がセットされている。(カラースキームの下品さにあきれるJR東のそれは定かではない。)
内一冊は,"Wedge"という「正論」(←今でもあるのかな?)どころではないウルトラライトなオピニオン誌。
とにかくなりふりかまわぬ原発推進,再軍備礼賛,反China。再生ゴミのY紙でも形式的に両論併記だが,これはまったく自民党のプロパガンダ一色で,公共交通機関に搭載されるメディアとしては如何なものかと思う。
(遠い昔,ACB先生から習った「捕われの乗客」理論を想起させる。)


もう一冊の「ひととき」はJR東海系新幹線沿線の文化や風俗(さふいふ意味ではない)を紹介していて,車内の軽い読み物としては,まぁ良くできている。
掲題は,その中の「吉永みち子」のインタビュー記事の中の数字。
Intervieweeは「鈴木健次郎」。
この名前を聞いてピンと来たヒトは,ほぼ人生が終わっている。
鈴木健次郎は,日本人(というか非白人)として初めて,かつ最年少でパリの「フランチェスコ・スマルト」のチーフカッターとなったBespoke界の新進気鋭。


ただ,この記事を読んで少々驚いた。
まずは価格。全工程が鈴木本人の手になるスーツは84万円からとのこと。(興味があるヒトは,年明けに銀座和光でトランクショーがあるようだから,予約して行って下さい。)
いまやKIT⚫️NやBRI⚫️NIといった吊るしでも,それ位するからべらぼうとも言えまいが,それでも凄い。
(ただ銀座のダンヒルでも65万円からとのことだから,カリスマカッターの顔が見える鈴木の方が,付加価値は高いかもしれない。)
それより何より驚いたのが,年産150着と言う数字。
吉永みち子は,これを「たったの」という意味で使っているのだが,テーラーと少しでも付き合いがある人間にとっては「驚愕」の大量生産である。


84万円というのは鈴木による「丸縫い」と但し書き(本人が20%はミシンとしている!)があるので,実際には上物屋・下物屋のアウトワーカーがいて,本人はカッターだけに徹するスーツが殆どなのだろうが,それにしても150着というのは凄い。


最近某所で「上手いテーラーは速い。」という話を聞いたが,それでも採寸から最短で一週間はかかると言う。休みなしで働いて年間50着強の計算だ。
84万円で150着という「鈴木健次郎」,誰か奇特なお方,いってみませんか?

06/07/2014

GOLF

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古い友人から、夏休みの高原ゴルフのお誘いが来た。ここのところクラブを握っていないので、どう返答しようかと逡巡していたら、同じく誘いを受けた別の旧友から「ゴルフは卒業しました。生まれかわったら一から修行し直します。」という返答が来た。
これに対し、最初に誘った友人(女性)が「わたしもゴルフは卒業しましたが、還暦を機に生まれかわった気で再開しました。」と切り返した。


ところで↑の靴は、J.M. Westonの通称「ゴルフ」。男性誌の「本格靴」特集等に、J.M.Westonの代表作としてよく登場する。
一目瞭然ではあるが、現行モデルとの違いは「キルト」の砂よけが付いていること。
一時期、キルトを5000円程で別売りしていたが、最近、キルト付きのゴルフを見かけることがない。
↑は、(うろ覚えではあるが)1989年に購入したもの。今年で"Silver Jubilee(銀婚式)"という訳だ。
元々は、その名の通り革底のゴルフシューズだった。キルトは、単なる装飾ではなく、バンカーの砂よけとしての機能を担っていた。
ゴルフシューズとして1回オールソールをしたのだが、その後、自分の余りの才能のなさに辟易してゴルフを中退したのを機に、再度オールソール(Westonのラバーソール)し、普通のタウンシューズとした。それからでも既に10年近くの歳月が流れた。


手持ちのラバーソールが少ないことと(本当の洒落ものはラバーソールシューズをBespokeするものらしい)、長い年月を経て完全に足に馴染んでいることから、旅行の際、特に雨が予想される場合、この靴を選ぶことが多い。(滅多に雨の降らないCa.は別。長期の旅行でそれなりのレストランに行くような場合は、もう一足持参する。)
ゴルフシューズとして履いていた時代以来、どれ位の距離を歩いたのか、想像もつかないが、BSEが騒がれる以前のカーフで、今でも少し手入れをすれば深い光沢を取り戻す。
Carmelのセレクトショップ(西海岸では稀な存在)Madrigalでも店員が"Nice kilt"とお世辞を言ってくれたりもしたが、流石に「やれ」が目立って来た。
ハンドソーンでは無いのでもうオールソールは出来ないだろうし、一度交換したヒールカップもまた蔕ってきた。


後継機種は既に決まっていて、それがボクの最後の「本格靴」になる予定なのだが、諸般の事情で何時手に(足に)入るのか定かでない状況にある。
それまで、もう少しの間、丈夫でボクの旅の友でいて欲しい。

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