経済・政治・国際

26/06/2016

B"regret" または衆愚

直接民主制は衆愚政治につながると警告を発したのはプラトンだったか。
やはりというか恐れていたことが起こった。(但し,これは個人投資家としてのコメント!)


今,U.K. (とりわけEngland wz ジョンソン)やアメリカ(とりわけGOP, いふまでもなし),そして少し前の日本(とりわけ大阪,wz はしした)で起きている現象は,格差から発したエネルギーがデマゴーグによってあらぬ方向に向けられているということの表れだと思う。
「あらぬ」か「正しい」かは主観の問題だが,今後のEnglandやGOPの行く末が,それを証明してくれるだろう。(凋落の歯止めが止まらぬ大阪ではすでに証明済。)


但し,ボク自身(U.K.のIndefinite Leave to Remain Holderとして,U.K.の将来に関するステークホルダー度合いは普通の日本人とは比べものにならない・・・)は,昨日の結果にそれほど悲観はしていない。株価は長期的なトレンドは置くとして,昨日の下げは突っ込み過ぎだろうし,我が家の場合,円高は太平洋の両側でオフセットされる。(円高の方がPositiveな効果は大きい。)


国際政治の話に戻せば,内外各紙の論調は「Globalizationの潮流にストップがかかった。」とするものが多いが,これらの論調はGlobalizationとは国民国家(Nation State)の外延側における止揚のみを指すのではないことを忘れている。
国民国家は,現在(せいぜい第一次大戦以来)の国際政治の主要なactorではあるが,その歴史は人類の歴史から見れば「一過性」なものに過ぎない。(日本の場合,せいぜい明治以降,今のアメリカを見ればそもそも現状でも国民国家とは言えまい。)


Globalizationのもう一方の契機は,国民国家の内側への止揚である。
スコットランド独立の気運は金曜以降,既に高まりを見せているし,ロンドン市も独立すると息巻いている。
Bona fide 国民国家ですらなく「連合王国」を名乗る国の連合が瓦解して,各ex. 王国が直接EUの構成要素としてEUへの参加/不参加を決めれば良いだけの話ではないか。
(傍論ではあるが,スコットランドの独立はEnglandの非核武装化に直結して,反核運動に多いに資するものである。)
Nationalismの台頭の議論のみが喧しいが,U.K.国民投票に対する世代間闘争の様相を含め,今一度「超国家またはE.U. or U.N.」「国」ないしは「社会」という枠組みの未来に関して考える機会を与えてくれた機会ではあった。

11/06/2016

・・・・・・

来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部の方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たちの信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。

今朝の朝日の電子版の記事を見て,椅子から転げ落ちるほど仰天した。で,その教団のHPで見つけたのが上の声明。

これだけ読めば立正佼成会か,お東さんの声明のようだが,何と「生長の家」が安倍との決別宣言をしたのだ。生長の家と言えば「塀」の向こうに行った村上ほか自民党の代議士を何人も輩出してきたし,「日本会議」のコアメンバーも生長の家崩れが多いと言われている。

生長の家で思い出すのは高校・大学と一緒だった一人の同級生。割とリベラルな高校だったが,柔道部だった彼は外見を含め硬派を貫いていた。
卒業式で半分ほどは君が代を歌わないのだが彼はどうどうと歌っていた。(昭仁さんは米長に強制はダメと言ったが当時からそんな議論はあった。)

ちなみに彼の滑り止めは「某大」(仮名になってない。)でおそらく母校から唯一の受験者だったと思う。
その後,彼は「鉄は国家なり」と思ってか鉄鋼会社に進んだ。(同じ会社に進んだ別の友人数名は皆軟派だったのが面白い。)

おそらく彼は今も生長の家の信者だろうが,この声明をどう受け止めるのだろう。
聞いてみたい気がする。

南無妙法蓮華経党よ,生長の家の爪の垢でも呑んでよぉーーーく考えたほうが良い。

07/05/2016

Sadiq Khan

"Sadiq Khan Elected in London, Becoming Its First Muslim Mayor"
↑は今日のNYTの記事のタイトル。確かに事実なのだが,ちょっとミスリーディングではある。
というのはSadiq Khan(Asianが過半数を占めていたボクの会社にも同じ名前の社員がいた。)は初のムスリム系市長ではあるが彼は「三人目」のロンドン市長だから。
今のロンドン市長制度が始まったのは2000年のことで,その後"Red Ken"と呼ばれたKen LivingstonとBoris Johnsonというそれぞれ極めて個性的な市長が二期づつ勤めただけだから。
だから「初の」っていう表現には違和感がある。

05/05/2016

Vive le Trump!!! but 347:191

日本のマスコミの論調は,まるで「トランプ=悪魔」だ。
(確かに彼はCruzと同じ位はLuciferに似ているかもしれないし"GOP"にとっては悪魔以外の何物でもないだろう。)
「外務省筋によればトランプが大統領になる可能性は五分五分だ。」と報じたマスコミもある。
お辞儀だけ上手な日本の外務省も,「なるか」「ならないか」だから,五分五分みたいな何ら意味をなさないコメントするなよと言いたい。


347:191はNYTによる「大統領選が至近の世論調査の通りとなった場合」のヒラリーとトランプの予想獲得選挙人数。
↓のURL参照(赤がトランプ)
http://www.nytimes.com/interactive/2016/05/04/upshot/electoral-map-trump-clinton.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&clickSource=story-heading&module=first-column-region®ion=top-news&WT.nav=top-news
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この記事によればトランプはヒラリーとの差を10%改善しない限りアメリカ合衆国の大統領になることはできない。
ところがである。日本のマスコミでこうした論調を見かけることは少ない。
日本のマスコミを熟読する合衆国有権者は少ないから「アナウンス効果」は理由になるまい。
(但し,泡沫候補からここまで来たトランプのLucifer並みの魔力には要警戒!)


若しかすると二桁IQのおっさん側近の兵隊さんやお辞儀だけ得意な小役人が軍備拡大のために情報操作をしているのでは,というのは穿った見方か?


04/05/2016

Abyss

案外早くTrumpが次期GOP大統領候補に決まった。(といってよかろう。)


"Abyss"は奈落といった意味で,今日敗北宣言したCruzを含め何人かの候補者が,今のアメリカを表すのに使った言葉。
「溝」といった意味もある。用例:unbridgeable abyss
確かにTrumpがGOPの候補となり,バーニーの予想を大幅に上回る健闘を見るに,アメリカはunbridgeable abyssesに分断され,奈落に落ちるとまでは行かずとも建国以来未曾有の政治的変革の時期に来ているのかもしれない。


大統領選はこのまま行けばヒラリーになるのだろう。Reagan Democratとまでは行かないだろうが,GOPの票がヒラリーに流れるだろうから。(バーニーに投票した民主党の反権力グループも流石にTrumpに投票することはなかろう。)


ヒラリーに問題があるとすればe-mail問題で刑事訴追されることくらいかなぁ。
万が一そうなってヒラリーも撤退止むなしとなったら,アメリカはどうなるんだろう。
他人事(普通の日本人よりはstakeが大きいけれど)ながら,11月まで「怖いもの見たさ」の政治の季節が続く。

03/01/2016

契約社員 その2

亀井静香は,当時おまわり出身の運輸大臣として航空保安関連の利権を自らのフロント企業に無理やり引っ張ってくる等,職権を濫用して私利私欲を貪っていた。
自分が選挙区民なら決して投票することはない輩だが死刑廃止の旗振り役を努める等,硬骨漢の一面もある。
その亀井静香が契約社員制度の導入に異議を唱え噛み付いたのだ。


この話は当然,少なくとも航空局長レベルまでは通っていたと思うのだが,こうなると小役人は子供の使い以下となる。
亀井がどうして異議を唱えてやろうと判断したのか定かではないが,どこかから吹き込みがあったと思われる。若しかすると日本航空の組合のどれかだったかも知れない。
(事情通の方,教えて下さい。)
異議の理由は(底辺には雇用の質の劣化というfundamentalな理由があるのだが・・・)異なる雇用形態が混在すると航空機運航の安全性が担保され得ない,というもの。
この理屈に頑健なロジックはないが,これを否定するだけの頑健なロジックを航空会社も持ち合わせなかった。


航空機内の指揮命令系統は航空法によって定められていて,機長がCAを含む全乗員の指揮命令権を持つ。
元々,船舶から来た考え方ではあるが航空安全・保安を考えれば当然の話ではある。
それが何を意味するかと言うと,例えば客室乗務員の仕事を「委託」することは認められない。よく偽装請負(実質派遣)が問題となるが,請負と派遣の最大の違いは指揮命令系統がどこにあるかの違いである。(請負なら請負業者,派遣なら派遣先となる。)
但し,運航乗務員と客室乗務員をセットで一つの会社に委託することは当然可能で,実際JALや日ペリが比較的賃金の低廉な子航空会社を使ってこの方式を採っている。


ところで亀井静香と「子供の使い」以下の運輸省の小役人によって契約社員制度は「採用の3年後は"原則として"正社員化する。」という条件を付され「骨抜き」にされた。
「原則として」の意味は「週刊ポストで裸になったり」「極端に欠勤が多い」と言った例を除いて90%以上を意味した。
結果として,契約社員制度は最初の3年間の人件費抑制効果をもたらしたが,平均年齢上昇抑制という効果は極めて限定的なものとなった。
(JALは倒産時,年増空中飯盛人を大量に首にしたので年齢上昇の点では一息ついたが,これからまた上昇の一途を辿ることに疑いはない。)


さて契約社員制度が結局20年で廃止され当初期待された効果がもたらされなかった理由は奈辺にあるのか?


ボクの持論は「時給1,000円原因説」。


当時の社内には乗員の給与水準が,会社の不安定な経営の「諸悪の根源」とみなす空気があった。
時給1,000円はこの空気を読んだ担当者が社内(社会)の「受け」を狙って設定した「大胆」かつCAに対する「悪意ないしは敵意を持った」水準だったと考えている。
当時の大企業の大卒女子の初任給を明らかに下回る水準であったし何より「1,000円」というのが"eye catchy"だった。
のだが・・・・・・
ボクは"eye catchy"過ぎたんだと思う。"eye catchy"過ぎて亀井の眼にとまってしまったのだ。
(亀井が横槍を入れた以前にボクはその危険性を指摘していた。)
そもそも日本という極めて特殊な労働慣行の国以外では同じ仕事なら賃金は「契約社員」>「正社員」でなければならない。
だから契約社員制度を入れた時,人件費の短期的な抑制という近視眼的な視点に立たず,平均年齢の管理可能性向上という中・長期的な視点に立つべきであったのだ。
例えば「時給,1,188円」とかにして屁理屈でも何でも良いから意味のある数字だと説明すべきだった。
社内受けや客室乗務員に対する悪意からバナナの叩き売りのような「時給1,000円」を謳うべきではなかったのだ。


今でも知り合いから「娘が客室乗務員になりたいと言っているのだけれど・・・」と言った相談を受けることがある。
ボクはJALと日ペリの客室乗務員は今でも良い職業だと思っている。但し,この二社限定でLCCを含むその他の航空会社のCAは絶対にお薦めしない。
特殊な環境にはなるが海外ベースの外航のCAは悪くはないかも知れない。
何せSINやHKGは既に1人当たりGDPで日本を上回っているのだから。


もう一つ「どうしたらCAになれますか?」という質問を受ける。
答えは「才能」だが,その「才能」の内容はあまりに"politically incorrect"で口が裂け「たら」言えない。
才能がない場合,二桁IQのおっさんかDW利権絡みでJALを食い物にした「2F」レベルのコネが必要だろう。
これらの極々一部のCA志願者は,落としても落としても一次→二次→最終と選考をすり抜けるので「ゾンビ」と呼ばれていた。

18/12/2015

契約社員

日本航空が,契約社員(これが社内の正式名称で,より判りやすくするためにメディアは契約制客室乗務員としている。)制度を廃止し,客室乗務員全員を最初から正社員として採用することを発表した。
制度導入直後に,この制度に深く関与したものとしては何とも感慨深い。日ペリが一足先に正社員採用に切り替えたから良材を得ることが難しくなったのだろう。


そもそも何故,契約制客室乗務員ではなく「契約社員」かと言うと,当初は地上職(所謂グラホス)を兼務させていたから。
年間の繁閑差は航空会社の宿命で,特に営業部門がほとんど機能していなかった日本航空の繁閑差は他のメジャーキャリアと比較しても絶望的な水準にあった。
一方,地上職の必要数は旅客数に対する弾力性が高いから,契約社員に繁忙期にはたくさん飛ばせ,暇な時期には地上業務をさせようと言う,素晴らしいアイディアで(ある筈)であった。
このアイディアがうまくいかなかった理由は,本職の地上職との間の軋轢にあった。
当時,地上職はすべて低廉な子会社に置き換えられていて,社員の多くはCAになれなかった組である。
そこに月に1日か2日だけCAの卵が入ってくれば軋轢が生まれないほうが不思議だし,当時のマネージメントにはそんな軋轢を克服しようと言う気概もなかった。


ご存知の方も多いかと思うが,3年契約の契約社員制度はシンガポール航空(SQ)の制度を下敷きにしていて,当初2つの目的があった。


1点目は言うまでもなく賃金の抑制。本人達の資質を考えれば,賃金自体は世間で言われたほどの高水準でもなかったと思うが,Per diem(所謂出張旅費で宿泊を伴う乗務時に支払われる。)を含めれば優雅な生活を送れたと思う。(実際,お給料には手を付けずPer diemだけで暮らしているという業腹なCAもいた。)
そこで契約期間中は,時給1,000円という極めて大胆な水準を打ち出した。
(後述するが,この水準設定が制度をぶち壊したと個人的には思っている。)


2点目はpolitically incorrectな話ではあるがCAの平均年齢上昇抑制。
当初は,3年の契約終了後は7割程度を正社員とし,残りは雇い止めという目論見だった。
当時(今でもそうだと思うが),38歳を過ぎるとCAの退職率が極端に低下し42歳を過ぎるとほぼ死亡退職率と一致するという状況で,経営幹部はPan Am化を恐れた。(出産可能年齢と見事にシンクロする。実際,最近AAに乗った家人はCAの平均年齢が自分より上だったと主張している。)
右肩上がりの成長が続いていた時代は成長分を新卒CAで賄えば平均年齢上昇の歯止めをかけることができたが,成長率が鈍化したバブル以降,退職者+α程度しか新卒採用ができず平均年齢は1年に1.5歳位のペースで上昇していた。
3年で3割を雇い止めできれば,その部分は常に平均年齢24歳を維持できるという絵姿だ。


ところでこの絵姿を「絵に描いた餅」にしたのが亀井静香だ。(to be continued)

14/12/2014

Stagflation

おそらく高校の「政経」あたりで習った言葉かと思うが,今,日本はまさにstagflationに突入しつつある。
物価は上昇し,成長率は2四半期連続でマイナスだから。
原油価格の「暴」落は今の日本経済にとって僥倖である。若し今,原油が$100台だったらと考えるとぞっとする。
アベノミクスは,確かに「デフレからの脱却」を果たしたし,株価は上昇したけれど,実質賃金は上がらないし,企業業績の回復も跛行的で,選挙のCMで誇るほどの実績とは言えまい。
「デフレからの脱却」は手段であって目的ではない。Stagflationに陥ってしまえば,元も子もない。
今日の投票行動を決定するにあたって,じっくり考えて欲しい。


ところで今回の総選挙関連の動きで,一番優れものだと思ったのは,一票の格差をめぐる最高裁判事の国民審査についての意見広告。
国民審査は全く実効性を欠いていて,ボクが法学の徒であった時代から,議論があった。(一番右側の人が一番Xが多かった。)
選挙広報の付録のような最判をきちんと読むのは人口の1%もいないだろう。一時期,全員にXを付けるとか,国民審査用紙の受け取りを拒否するとかいった,同制度に対する抗議行動も見られたが,如何にも消極的。
くだんの意見広告は,一票の格差に絞って,Xを付けるべき裁判官を,Visualな表現で名指ししている。
意見広告は切り取り式になっていて,家族全員がこれを持参して投票所に行ける優れものだ。

13/12/2014

民主党のCM

民主党のCMを見るにつけ,強烈な違和感を覚える。
「正社員になるのが夢」というやつ。
あと2つの「夢」は,
「安心して子供を産むこと」と
「お金を貯めて結婚すること」
最後の夢に到っては支離滅裂。
いろいろなところで疑問が呈されているが,考えた人間の頭をかち割って中を見て見たい。
それとも,これって下手ウマ系の新たなマーケッティング手法なのか。

28/11/2014

Boots on the ground

今朝のニュースでエボラ対策への自衛隊投入の話を聞いて,安倍もようやくボクの政策提言↓
http://horatio-hanna.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-cbcd.html
を受け入れたのかと思ったのだが,内容を良く聞いてベッドから転げ落ちんばかりに驚いた。
なんと支援の内容は,感染防護服の輸送のみ,しかも感染国まで行くのは「怖い」ので,近隣国まで行って,その後の「危ない」部分はUNにお任せという。


輸送なんか,アフリカに強いDHLに頼んだ方がよっぽど安く・早くできよう。
第一次湾岸戦争以来,自民党の政治家は"Boots on the ground"を叫ぶが,このあまりにしみったれた対応しか取れないことが恥ずかしくないのか,と言いたい。
(それとも兵隊さんを説得できなかったのか,と穿った見方をしたくなる。)
安倍には,MSFの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたい。